さて、教育資金の最後は「贈与」について考えてみましょう。簡単に言えば、祖父母から孫への教育資金の援助です。祖父母からの援助を期待できる方には参考になるかと思います。
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
これは、30歳未満の子や孫の教育資金に充てるための金銭を、父母、祖父母等の直系尊属が贈与した場合、受贈者1人あたり1,500万円までは贈与税が非課税になる制度です(学校以外の教育資金は500万円まで)。
一定の金融機関に子や孫の名義の口座を開設し、信託等を利用して贈与します。
この制度は、2026年3月まで延長されました。
終了条件
- 受贈者が30歳に達したとき(残高があれば贈与税の対象となる)
- 受贈者の死亡(残高に対して贈与税の対象とならない)
- 口座の残高がゼロになる
贈与者が亡くなった場合
期間中に贈与者が亡くなってしまった場合、その時点の残高に対して相続税がかかります。ただし、受贈者が23歳未満または在学中である場合は課税されません。
この制度に興味のある方は、銀行に一度ご相談されることをおすすめします。
暦年贈与
毎年110万円までは非課税で贈与できる制度です。上記の一括贈与の場合も同様ですが、この制度を利用する場合も贈与契約は書面で結んでおきましょう。また契約書は毎年作成する様にしてください。「10年間、毎年110万円ずつ贈与する」というような契約は贈与税の対象となるので注意して下さい。
贈与者が亡くなってしまった場合は、亡くなる前3年以内の贈与は相続税の課税対象※となります。ただし、受贈者が相続財産を受け取っていない場合は、課税対象にはなりません。
※2024年より加算期間が段階的に延長され、最終的に2031年には7年となります。このため相続時精算課税制度を利用して毎年110万円以内の贈与をする方が増えると思われます。相続時精算課税制度に関しては別の機会で取り上げたいと思います。
これらの制度をうまく活用して、教育資金を確保することも検討してください。
次回から不動産について考えたいと思います。