老後資金編(4)IDeCoとNISAをうまく活用しよう

老後資金

老後資金の貯め方として、長期・分散・積立での運用を説明しました。そこで、ここでは最近話題のIDeCoとNISAについて、説明します。

NISA


まずNISAは「少額投資非課税制度」の略称です。一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISAの3種類があります。前回、長期・分散・積立てを推奨したため、ここでは、つみたてNISAに絞って説明します。
つみたてNISAは、1月1日時点で満18歳以上の個人であれば加入できます。(ただし一般NISAとの併用は不可)最長20年間、年間40万円までの投資枠で運用可能です。つまり、20年間で最大800万円まで投資できます。

NISAの投資対象は、少額で投資可能な長期投資に適した商品で、株式投資信託とETFが対象となっています。一般NISAと異なり、一度に大きな金額を投資したり、個別株に投資したりすることはできません。また、販売手数料等が無料であり、信託報酬の上限も決められています。これらの条件を満たした商品のみがつみたてNISAの対象となり、低コストでの投資が可能となります。

得られた利益に対しては課税されませんが、損失が発生した場合、他の利益と損益通算したり、翌年に損失を繰越控除したりすることはできません。利益に税金はかからない分、損失に対する救済処置もないということです。

iDeCo

一方、iDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれる個人向けの年金制度です。確定拠出年金には、企業型と個人型の2種類があります。サラリーマンの方の場合、加入できる上限額は、勤務先の企業が加入している企業年金によって異なります。勤務先の企業の加入している年金の種類と、それに伴う上限額を確認することをおすすめします。

ちなみに自営業の方の場合、掛け金の上限は月6.8万円(年81.6万円)です。(ただし、国民年金基金と合計で6.8万円です。どちらも運用しようと思っている方は注意してください。)運用益が非課税なのはNISAと同じですが、iDeCoはさらに掛金が全額所得控除になります。

ただし、掛け金及び運用益は60歳までは引き出すことができません。60歳以降に年金または一時金で受け取ることになります。ちなみに2022年5月より65歳まで掛け金の拠出ができるようになりました。

まとめると以下になります。

  つみたてNISA iDeCo
積立期間
20年間
65歳まで
上限投資額
40万円/年
14.4~81.6万円/年
非課税対象
・運用益
但し損失の場合、税の救済はない
・運用益
但し損失の場合、税の救済はない    
・掛け金が所得控除
対象商品
国が認めた投資信託
投資信託、保険商品、定期預金
途中引出
いつでも可能
60歳まで不可

出典:iDeCo公式サイトhttps://www.ideco-koushiki.jp/guide/structure.html
              金融庁「つみたてNISA」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html

それぞれメリットとデメリットがありますので、どちらを選ぶべきかよく考えて始めることが大切です前回説明したように、「長期・分散・積立」投資は一回で大きな金額を投資するよりもリスクを抑えることができますが、必ず利益が出るとは限りません。

ちなみに、わたしは現在、つみたてNISAで投資をしています。子供が高校生、中学生でお金がかかるため、いつでも引き出せるほうが良いという理由からです。絶対60歳まで引き出さなくても大丈夫という自信があれば、iDeCoも良い選択肢です。

簡単にNISAとiDeCoの特徴を書きました。是非、老後資産形成の参考としてください。
さて、次回からは教育資金に関して、考えていきたいと思います。

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