私、実は今月が誕生月で、「そろそろ、ねんきん定期便がそろそろ来るかな?」と思いついたので、このブログを書こうと思いました。ねんきん定期便、じつは、50歳以上の人には「60歳までこのまま掛け金を維持した場合の65歳以降からもらえるであろう金額」が書いています。
しかし、50歳未満の人に来るねんきん定期便には、その時点までの加入期間や実績に応じた年金額等が書かれているだけで、60歳までかけた場合の年金額がよく分かりません。そこで、もう少し詳しく計算方法を書いてみたいと思います。
国民年金
老齢基礎年金になるものです。第一号~第三号被保険者まですべての人が加入するものです。20~60歳まで40年間掛け続ければ、65歳から満額もらうことができます。(受給資格期間が10年以上ある場合に65歳から掛けた年数に応じた金額を受け取ることが可能です。)満額で79万5千円(令和5年)/年の年金額となります。国民年金の一部免除(4分の3免除、半額免除、4分の1免除)の承認を受けた期間は、それぞれ減額されます。算出の式は
795,000円×{(保険料納付済み月数+保険料1/4期間免除月数×7/8+保険料半額免除月数×6/8+保険料3/4免除月数×5/8+保険料全額免除月数×4/8)}÷480月(40年)
となります。未払い期間に関して、学生納付特例などの免除を受けた方は10年、単純に申請せず払わなかった等で未納の方は2年、追納が可能です。年金額を増やしたい方で、追納でも満額にいかない場合は60歳以降任意加入で増やせる場合もあります。
また、65歳から繰り上げ受給した場合は0.4%/月減額されます。したがって、60歳から受給した場合は5年×12か月×0.4%で24%、年金が減額されます。
一方、繰り下げ受給した場合は0.7%/月増額されます。例えば70歳まで繰り下げすると、5年×12か月×0.7%で42%増額されます。
厚生年金
第二号被保険者(サラリーマン)が加入するもので、老齢厚生年金として国民年金に上乗せして受給できます。国民年金と違い、70歳未満まで加入義務があります。掛け金は会社側と折半で負担します。掛け金は平均標準報酬額といって、「被保険者であった期間の標準報酬月額の合計(賞与込み)÷被保険者であった期間の月数」で決まります。標準報酬額に関しては下記参照ください。
保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険) |日本年金機構 (nenkin.go.jp)
老齢厚生年金は以前は定額部分と報酬比例部分に分かれていましたが、定額部分は今は基礎年金に置き換わっています。年金額の算出に関して、平成15年3月までと4月からで計算式が変わります。
平成15年3月以前は
標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月までの加入月数
平成15年3月以降は
標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以降の加入月数
となります。
平成16年3月以前から働いている人は上の2式を足して求めます。
標準報酬額と標準報酬月額の違いは、簡単に言ってしまうと賞与を含めるかどうかです。標準報酬額は賞与を含めて算出します。また、標準報酬額も標準報酬月額も算定基準となる報酬の中に通勤交通費も含みますので注意です。
では簡単に例として、平成16年に入社し、標準報酬額50万/月(年収600万円)、
40年勤務した場合の計算をしてみましょう。
報酬比例部分:
50万円×5.481/1,000×480か月=1,315,440円
老齢基礎年金も満額受給できるとすると
795,000円+1,315,440円=2,110,440円/年(175,870円/月)となります。実際は、物価スライドなどが加味されますので、実際受給するときは上記の金額とはならない可能性があります。また、上記年金に経過的加算や加給年金などが加味される可能性もあります。老齢厚生年金の繰り下げ/繰り上げ受給に関する考え方は老齢基礎年金と同じです。
まとめ
公的年金の計算方法をまとめました。社会保険料は、老後のためだけでなく、万一不幸があった場合の遺族年金、働けなくなった時の障害年金のもとになるものでもあります。ある意味、保険的な役割もあるので、とても重要なものです。つい税金のように考えてしましがちですが、皆さんの将来にとって重要なものであることを忘れないでください。経過的加算などは、また別の機会で書きたいと思います。
もしこの記事が皆様の参考になれば幸いです。