老後資金編(1)年金はいくらか?保険者タイプ別に計算します

老後資金

こんにちわ。
先日は人生の三大資金、すなわち老後、教育、住宅の話をしていくと申し上げました。
今日は一回目として、老後資金に関して取り上げます。
ただ、このテーマだけでも何回かに分かれるため、根気よくお付き合いください。

多くの方が、「年金だけで老後生活はなんとかなるのか」という疑問をお持ちではないでしょうか。そこで、ここでは年金だけで不足するケースと対応方法を考えていきたいと思います。今日のテーマは「年金だけでは、どれくらい不足するのか」に絞って考えます。

保険者の種類

まず老後資金に関して最初に考えるのは、年金はいくらもらえるのかという点です。
年金には種類があって、以下のように分けられています。

1)第一号被保険者・・・自営業者等世帯、学生等
2)第二号被保険者・・・会社員、公務員等
3)第三号被保険者・・・第二号被保険者の被扶養配偶者

第一号と第三号の方は老齢基礎年金のみ、(注1)国民年金基金等で増額する方法もあります。
第二号の方は老齢基礎年金及び老齢厚生年金が65歳以降給付されます。

年金給付額

第一号、第三号の方への給付額は、支払期間に減免を受けていたり、未納付の期間がなければ約78万円/年(毎年若干は変動します。)となります。
第二号の方、いわゆるサラリーマンや公務員の方の場合、シミュレーションが必要です。
(誕生月にねんきん定期便が届きますので実際はそれを確認してみてください。)
そこで以下の条件でシミュレーションを行ってみます。

夫:二十歳から40年間、企業に勤める。平均480万円の年収。(注2)
(計算上480万円X40年と考えます。)
妻:専業主婦<年齢は夫と同じ>
(妻が正社員で働いている場合は夫と同じシミュレーションで考えます。)
子供:夫婦65歳到達時には既に独立

夫(現在50歳の人):基礎年金=約78万円  厚生年金:約118万円 合計:196万円
夫(現在40歳の人):基礎年金=約78万円     厚生年金:約110万円     合計:188万円
夫(現在30歳の人):基礎年金=約78万円     厚生年金:約108万円     合計:186万円(注3)

(注2)ボーナスなし。40万円/月の給与→標準報酬月額:41万円として計算。
こまかな話は割愛しますが、標準報酬月額をベースに年金額を計算しました。
(注3)平成15年3月の前後で標準報酬月額にかける年金給付額算出の料率が変わります。したがって平成15年3月までの勤務月数によって金額が変わることに注意してください。

ここで妻が専業主婦の場合は 上記金額に78万円足せば 大体の夫婦二人の合計年金額が算出されます。
ただし、ここから所得税、住民税、社会保険料などが引かれるため、概算で上記金額×90%を手取りとします。

そうすると (186~196万円+78万円)×90%=237.6~246.6万円が年間の手取りです。

年金の不足額

総務省統計局のデータによると、令和二年度における老後に必要な生活費は、
夫婦で約26万円/月(312万円/年)、独身者で約13万円(156万円/年)と言われています。

そうすると年収480万円という平均的な年収の人が将来不足する金額は
独身者の場合
 自営業などの第一次被保険者:78-156=78万円の不足(注4)
サラリーマンなどの第二号被保険者:(186~196)×90% ー156=11.4~20.4万円の余裕

夫婦の場合
自営業などの第一次被保険者   
         :78×2人ー312=156万円の不足
サラリーマンなどの第二号被保険者(妻は専業主婦想定)
         :(237.6~246.6)ー312=74.4~65.4万円の不足

(注4)実際は国民健康保険など社会保険料が発生しますが、基礎年金のみの場合は税金等0円と仮定。簡略するため全額手取りとして計算。

まとめ

上記の通り、サラリーマン独身の場合を除いて、年金のみでの生活は全て赤字となり、厳しい状況であることが伺えます。さらに、夫婦二人でゆとりある生活を送るには、約36万円/月(432万円/年)が必要とされています。

これらを踏まえ、次回では老後資金をどのように確保していくかについて考えていきたいと思います。

追記:「夫婦共働き、ともにサラリーマンの場合」は
単純に「独身者 サラリーマン”の場合×2」になりますので、大丈夫そうですね。

次回「毎年いくら貯めればいい?」のリンクは以下です。

タイトルとURLをコピーしました